この本、まだあったんですね・・・
私が自分用のエフェクターなどを作っていた頃に輸入楽譜専門店で見つけて衝動買いした本です。1997年版。私が持っているのは1996年の第2刷なので、表紙のデザインは変わりましたが中身はたぶん同じでしょう。まだあったとは(笑)
この本はミュージシャン(=電子回路に不慣れな人)向けに「エフェクターを自作しよう」という趣旨で書かれた本です。なので始めの章は電子部品の解説やはんだ付けの仕方、パネル加工の方法やシールド線の処理方法など電子機器製作の入門編になっています。もちろんすべて英語です。まあミュージシャンはこんなの作ってるヒマがあったら運指の練習しよう、という意見もありますが。
製作するものは
Preamp
Metronome
Passive Tone Control
Headphone Amp
Miniamp
Ultra-Fuzz
Base Buzz
Compressor
Ring Modulator
Dual Tone Filter
Stereo Tone Control
Nine-Volt Adaptor
Biplar Adaptor
Treble Booster
Electronic Footswitch System
Tuning Standard
Super Tone Control
Eight-in One-out Mixer
AC Tester
名前を見ただけで回路が想像できるものばかりですが、中にはキワモノも混ざっています(AC Testerって…)
回路図と基板のパターン図まで載っているので、感光基板で作る技術(と根性)があれば簡単に実現できるというとても実用的な本です。ただし出版が1997年と古く、当時から「アメリカでは簡単に入手できたのかもしれないけれど日本じゃ無理」みたいな部品があり、それが年月とともにますます入手が難しくなっているので、入手可能な部品に置き換えて再設計が必要なものもあります。
ネットで調べると、アメリカではいまだにこの本を参考にして自作エフェクターを作っている人が少なからずいるようで、BBS系で話題になっているのを見かけます。ほとんどが「この部品の代替は?」みたいですが。
まあそれほど凝った回路というわけでもなく、性能的にも「こんなもんだよね」的な内容なので、過度に期待するのはやめたほうがいいです。日本でも似たような本が出ているので、今さらこんな古い本を買う必要もないでしょう。正直なところ、この本に載っているエフェクターを作った記憶がない…
何の気なしに書棚を見たらこの本があったので「そういえば Graig Anderton(著者)って、いま何やってんだろ?」と気になってググってみたらこの本がまだあった、というお話でした。で、Graigは?…