AKM火災の影響

2020年10月に起きた旭化成エレクトロニクス(AKM)宮崎工場の火災は、各方面に大きな影響を与えているようです。自動車の製造にも影響が出ているとか。
 
我がオーディオ業界でも大きな影響を受けています。AKM の D/A、A/D チップなどは多くのオーディオ機器に採用されているのですが、これが当面供給されなくなってしまい、出荷再開の目途も立っていません。この影響でこれらのチップを採用しているオーディオ機器メーカーが、当該製品を製造終了にする動きが広がっています(弊社製品には諸般の事情で採用していません)。

他社のチップを使って再設計するという方法もありますが、特に D/A や A/D などは音質が根本的に変わってしまうので、同じ製品として出すわけにはいかないでしょう。そもそもメーカーは試聴を繰り返してチップを選択しているはずなので、他社のチップへの移行はそう簡単ではないはずです。かといって売る物が無いとメーカーは生きていけないので、何とかしなくてはいけない。辛いところですね。

ヤマハ様の製品でもかなり多くの機種が製造終了となりましたが、その中になんと 『MMP1』 が入っているじゃないですか! 弊社は先日 『ACS-MMP』 を発表したばかりだというのに、これでライン・ナップに入れておく理由がなくなってしまい、なんとも記録的短命な機種に終わってしまいました。
 
AKMのチップが再供給されれば、再びモデル・チェンジのような形で新製品が出てくると期待していますが、さてどうなることやら。

・・・諸般の事情って何かって? 弊社レベルのメーカーだと商社からサンプルを出してもらうだけで大変なんすよ。どんな製品に使うのか、とか年間何万個使うのか?とか・・・売ってもらったサンプルだけで年間の台数作れますなんて口が裂けても言えない。まあ Digikey とか Chip1 で買えるようになったら考えますよwww