年末からのドタバタがいまだに収束せず、落ちついてブログを更新する時間が取れません。
ということで今回は小ネタでお茶を濁そうという作戦です(笑)
ディスクリート・トランジスタが故障しているかどうかを調べるには、テスターの “導通チェック・モード” を使うのが簡単です。簡単なのですが、「あれ?どっちからどっちに測ればいいんだっけ?」という方も多いのではないでしょうか。
NPNトランジスタの構造は簡単に右のように描けます。ふたつのダイオードが外向きに繋がっているイメージです。PNPトランジスタは内向きになっています。これを見ればテスターでどのように導通を調べればよいか一目瞭然でしょう。
実際のトランジスタの記号には矢印がエミッタ側にしか書いてありませんが、トランジスタの動作としては「ベース-エミッタ間のダイオードを流れる電流を検出してコレクタ-エミッタ間を流れる電流を制御する」ので、こちら側だけ明示してあるわけです。
NPNトランジスタの場合は、テスターを “導通モード” にして、B(ベース)に赤リード、C(コレクタ)に黒リードで導通があり、赤/黒リードを逆にして導通がなければOKです。
同様にB(ベース)に赤リード、E(エミッタ)に黒リードで導通があり、その逆で導通がなければOKです。さらにEとC間にはどちらの方向にも導通がなければOK。この条件が全て成立していればとりあえず決定的なダメージは受けていないと判断できます(性能の劣化まではわかりませんよ)。
PNPトランジスタの場合は、NPNの時の赤/黒リードを逆に読み替えてください。
順方向に導通がない場合は、内部のダイオード構造が破壊されて絶縁状態になってしまっていると考えられます。逆に逆方向に導通がある場合は、ダイオード構造が短絡(ショート)しているわけです。いずれにしても致命的な故障なので、交換が必要です。また基板などに実装されているトランジスタの場合は、判定結果は周囲の部品の影響を受けるので、できれば単体の状態で調べましょう。